自然の中に身をおいてどっぷりと向き合う登山は、楽しく心地よいものです。自分の足で歩き、そこでしか見られない景色にたどり着いたときの達成感はとても大きく、山では街中に比べ四季のうつろいをより深く実感できます。同じ山でも季節を替えて訪れると新たな魅力に気付くことができ、春先や秋などは10日違うだけでも木々や草花の様子が異なっています。
登山が初めてという方は、装備がそれほど必要がない、あまり高くない近くの山から始めて、自然や感じてみましょう。

山には多くの動植物が生息しています。ニホンシカの糞やイノシシが地面を掘り起こした跡など動物の痕跡を見ることもできます。
樹林の中で鳥の鳴き声を耳にしながら歩くのは心地よいものです。梅雨時にはカエルの鳴き声が森に響き渡り、沢を眺めれば悠々と泳ぐ川魚の姿も。雪山では動物の足跡が点々と続くのが観察できます。

山で過ごすと、日の出とともに1日が始まり、日が暮れて山が真っ暗になると1日が終わります。山には街中とは違う、ゆったりとした時間が流れているように感じられます。
メールや電話もない自然のまっただ中で動植物と間近に過ごすことで、自分も多様な生物の一員なんだと実感することができるでしょう。