まいのち行動のコラム

111

森と部屋を繋ぐ

木材の家具は、その温もりや美しさから、古くから人々に親しまれてきました。
自然素材のため温かみがあり、部屋に優しい雰囲気を与えてくれます。一つ一つ木目が異なり、自然の模様が美しく、長年お手入れしながら使い続けることで色が変化し、味わいを増していくのも魅力の一つです。
木材は再生可能な資源であり、適切に管理された森林資源を利用することで、環境への負荷を低減することができます。耐久性も高く、長く使い続けることで他の素材の家具に比べて廃棄物も出にくいことも環境負荷が少ないといえます。
部屋の印象にも環境にも優しい木材の家具、おすすめです。

さらに木材は、断熱性が高く、調湿作用があります。空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには水分を放出するという調湿作用をもっています。このため、木材を建物の内装などにたくさん使うと、部屋の中の湿度の変動は小さくなり、心地よさにつながります。木材の細胞ひとつひとつに熱を伝えにくい空気を含んでいるため、コンクリートなどに比べ高い断熱性をもっています。

木材を使うことで、生物多様性が悪化してしまうようなイメージを持つかもしれませんが、私たちの暮らしている日本の森林は、住宅の柱など材料としての「良い木材」を得るために、人々が植えた「人工林」が4割程度を占めています。この人工林の木々はまだ比較的若くどんどん生長しているのですが、このような森林を手入れしないで放っておくと、もやしのようなひょろひょろの木がぎゅうぎゅうに詰め込まれた状態となって、幹も根も十分な成長がでなくなります。

また、地面まで光が届かないために、森林の下層植生が生えず、土壌がむき出しのままになってしまい、大雨が降った時には土壌が押し流されて山が荒れ、下流の人々の生活を脅かすような被害も出てしまい、森だけでなく私たちの生活を含めた生物多様性に影響が出てくるのです。
日本の森林は、全体的にみると「使わなさすぎて手入れができていない」状態になっているため、もっと木材を使ってもらうように様々な呼びかけがされています。

林野庁「木材の利用の促進について」https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/kidukai/

日本には、スギ、ヒノキ、ナラなどの広葉樹といった樹種がたくさんあります。 木のそれぞれの特性にも着目してみましょう。

日本の木材は 輸送距離が短いため、環境への負荷を低減できます。木材の家具を選ぶときは、産地もチェックしてみてくださいね。

更新日:

2025/01/09

⁨この記事をシェアする

この内容に関連する
大阪府内のまいのち情報